【コラム】雑誌を社会学する②

ナカバヤシは雑誌合冊製本を通して、雑誌の長期保存のサポートをしていますが、

そもそも「雑誌」にはどのような価値があるのか。。?

社会学の観点から考察するコラム。


マスメディアとしての雑誌の価値

「蓄積と総覧の快楽」。雑誌の面白さを問われてそう答えるのは、カルチャー雑誌を研究している辻 泉教授。

本稿では、辻教授にインタビューした内容をお届けする。今号では雑誌の価値について。文化社会学者ならではの雑誌を読み解くキーワードが続出した。

「総覧できる」という強み

雑誌の特徴について辻教授は、保存性、コミュニティ性、ニュース性の三点を挙げた。 保存性は小冊子のようにぱっと持ち歩ける短期の保存性と、合冊製本のように残すことを目的とした長期の保存性に分けられる。
コミュニティ性は、連載記事や読者投稿のように雑誌を中心として読者も作り手も参加する場があるということ。 ニュース性は速報性と特報性に分けられ、雑誌が得意とするのは週刊誌に代表されるような特報性だと言う。これらの特徴の中でも雑誌の長所といえるのが、短期の保存性とニュースの特報性だと語る。

近年ウェブ上で雑誌や書籍の読み放題サービスが展開されているが、PDF化されたものを一ページずつ見る形式が紙の雑誌と異なる。「ぱっと見の総覧性っていうのを考えると紙のほうがまだメリットがあるかなと思います。」インターネットが発達し、何でも検索すれば答えが見つかる現代だからこそ、この総覧性がキーワードになると言う。「今の学生たちは就職活動のときキーワードだけを就活サイトで検索して、一つのキーワードだけで引っかかる企業にエントリーする。全体としてどういう企業があって業界があってっていう俯瞰図が描けないんですよ。」雑誌はそういった俯瞰図を見るときに最適なメディアであり、これが辻教授の語る総覧の快楽なのである。

辻 泉 教授 Izumi Tsuji

(プロフィール)中央大学文学部教授。文化社会学を専攻し、ファン文化や雑誌の研究に尽力。著書に『男らしさの快楽―ポピュラー文化から見たその実態』(勁草書房)など。


「お金でも法律でも割り切れないところに焦点を当てるのが社会学。」法律や経済などの正しさに対して、文化社会学は楽しさをテーマにしていると辻教授は語る。本コーナーでは社会学の視点から雑誌の価値を追求する。


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